割合について3

 なぜ、比べる量と基にする量の判別ができないのか?
 その理由は、子どもたちが文章問題をしっかりと把握しないままに、適当に文章問題をやりこなしているという実態にある。子どもたちは文章問題を読みはするけれど吟味して読み、演算を決定する事はほとんどない。なぜなら演算決定はほとんどの場合「今学習している計算」に違いないからだ。たとえば割り算の計算を学習しているときに足し算の問題が出ることはない。従ってその問題は90%以上の確率で割り算で解く問題だのはずだから、文章の中から二つの数量を見つけ、大きい数を小さい数で割ることで解決できる。
 このような方法で4年生が終わるまでは対応しているものだから、5年生になって小さい数を大きい数で割る場面があることが理解できない。特に割合の問題では比べられる量と基にする量が見つけられたとしても比べられる量が基にする量より小さいとき得心がいかないのだ。「え、2÷6になる。おかしい」と感じてしまうのである。そこでせっかく正解の式にたどり着いているというのにわざわざ「6÷2」に書き換えてしまうのだ。

# by kiyotaka-ishi | 2018-01-09 09:44 | 算数の授業 | Comments(0)

割合について2

割合について2 割合の何がわからないのか?
 結論から言うとに「割合の定義」が理解されていないということだ。割合というのは比較する2つの量があり一方を1とするともう一方が1に対していくつになるのかという「2つの量の大小関係を倍で比べ表す」ことである。(日本語の漢字はとてもよくできていて「比較」の「比」が<倍で比べる>ことを意味し「較」が<差で較べる>ことを意味している。)
 それはともかくとして、この単純な原理「2つの量の大小関係を倍で比べ表す」がベーシックな体験的認識とならないままに、非常に早い時期から割合の問題を与えられて倍関係を見つけるような指導が展開されている。そのため「父の体重は80㎏、私の体重は56㎏である。私の体重は父の体重の何倍か?」という問題になると問題の意味が理解できない、したがってどういった算法で解決できるのかの見当もつかないという事態に陥る。
 授業の流れの中で「ああ、この問題は倍を求めている」「だから<比べる量÷基にする量=倍>の公式でいいはず」「でも、どっちが<基にする量>でどっち<比べる量>なのか、全然わからん」「問題文に出てくる順に<80÷56>でいいか!」と考えて解くようになってしまう。もちろん、間違いなわけであるが、割合の文章問題で最も多いのがこの例のような「何を何で割ればいいのかの見当がつかない」という問題である。
 学習者(子ども)がこういった状態に陥った時、教師や親は一生懸命に解きかたのテクニックを教え込もうとする例えば塾で流行っている「わ=ク/モ」という図式である。「わ=割合・く=比べる量・も=基にする量」らしいが比べる量がどっちで基にする量がどちらなのかのがわからないのではどうしようもない。また、「のがけ」という伝統的なテクニックもある。これは「倍」の前に○○のがつく量があればそれが基にする量であるというものだ。こちらのほうがまだ2つの量を見極める方策になると思われるが、使いこなせている教師をあまり知らない。いずれにせよこの2つの量の区別ができないのは「読解力」の問題「読解力の指導をしっかりしないといけない」という国語問題に転化していくことになる。しかし、これは決して国語の問題ではない。あくまでも算数の指導上の問題である。
 
 

 

# by kiyotaka-ishi | 2018-01-05 12:11 | 算数教育 | Comments(0)

割合について1

1 割合がわからない実態
 文科省がここ10年間行ってきた学力テストは図らずも「割合」が理解されていないことを白日の下にさらす結果となった。平成27年の算数B問題では珍しく、問題→式→解という問題が出た。その内容は「ある子供の家庭でいつも使っている台所洗剤が20%増量されて480mLになっていた。増量前の洗剤の容量は何ミリリットルか?」という問題であった。この問題は480mL ÷1.2という式で求められるわけだが、この式を作って正解した割合は全国平均で13%であった。
 また、29年度の学力テストでは「月の見かけの大きさが最小を1とすると最大は26%も大きく見える」ことを題材にとり、「この最大と最小の関係をコインで表すことにする。最小の月の大きさを1円玉にすると、最大の大きさは1円玉より1.25倍大きい10円玉がいいのかそれとも1.6倍大きい500円玉がいいのか」という出題であった。この問題はその理由を記述するという条件も加わっていた。さて、この正答率もなんと13%しかなかったのである。
 見事に悲惨な結果が露呈したわけだが、もっと驚くべきはこの実態を「重大事」として取り上げる数学教育者が私の知る限りほとんどいなかったことである。私一人が様々な会でその重大性を指摘するのだが、たいていは「この問題は難しいから仕方ない」という意見が大勢を占め、特殊化しようとする傾向が顕著に表れる。それもそういう人の大半が大学の先生なのだから始末に負えない。彼らがなぜ深く追求しようとしないのかはなんとなくわかる。それははっきりとした対案を持っていないからだ。また、一応大学に入学してくる学生は「割合をクリアーした子」がほとんどだから、事の深刻さが理解されないという面もあるかもしれない。
 しかし、多めに見積もっても割合が理解できて中学校に進んでいる子は半数に満たない。仮に中学校で何とか割合を理解していくとしても2割から3割の高校生は割合が理解できないままになっていると思われる。現に底辺高校といわれる高校の学生は3割引や30%OFFの計算はできない。ましてや金利や複利の仕組みや計算は絶望的だ。私は昨年ある通信制の高校で、「やり直しの算数講座」を担当して割合の授業を行った。十数名の参加であったがそのほとんどの子が「500円の弁当の3割引はいくらか?」という問いに答えることができなかった。授業の中で3割引の仕組みを説明して、解きかたを教えたら「やっとわかった。今までわからなかったんや。ありがとう」と感謝された。
 今現在は、小学生のボランティア塾をする傍ら、「中学生の勉強室」をボランティアでやっている。ここでも割合がわからないままに中学数学でもがいている子供たちがたくさんいる。例えば「a円の品物の3割引の値段を文字を使って表せ」というような割合の理解を前提にした問題が出される。全くお手上げの子がたくさんいる。子どもたちは正解を見ながら「ああ、こんな問題は<0.7a>と書くといいのだということを機械的に覚えようとする。「なんで0.7なの?」と聞くと「答えに書いてあったから」という答えが返ってくるのにはあきれてしまう。しかし、これが現実だ。
 

# by kiyotaka-ishi | 2018-01-04 11:59 | 算数教育 | Comments(0)

100均で算数教具(タイルそろばん)

100均でお箸ケースとタイルを買うと簡単にタイルそろばんが作れることが判明しました。今の算数教育はあまりにも物と操作を軽視しています。もし、1年生の保護者の方がいましたらおすすめ下さい。物を使ってやるといとも簡単に分かります。


# by kiyotaka-ishi | 2017-12-11 11:27 | 算数の授業 | Comments(0)

正負の数 指導方法

正負の数の計算規則で戸惑っている子が沢山います。あるいはやり方は分かるけれど意味はさっぱり分からないという子もすごく多いのが現実です。今回の指導方法はなぜマイナス引くマイナスがプラスになるのかをすっきりと分からせることが出来ると思います。

# by kiyotaka-ishi | 2017-11-08 17:14 | 算数教育 | Comments(0)