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再び割合について

小学校集会で少し話題になりかけたのですが、あまり難しい議論になってはいけないと思い、発言を慎んだことがあります。

それは、私が提唱している割合の「にらめっこ図」についてです。

この図は、基本的には割合が理解できない子やできていない子どもを救うために開発した図です。

数教協ではかけわり図という量の乗除の構造を示す図があり、この図を使って整数の乗除から小数分数の乗除の指導までまかなうことができます。この図を使う指導が貫徹していれば、倍割合の指導にも役に立つといわれています。

かけわり図の<1あたり量>を<1とみる量>と読み替えることで無理なく倍割合の>乗除の構造を示すことができると思われているからです。

しかし、私はそんなに単純ではないと思います。

実はあまり議論したくなかったこともあって「なぜ割合になると違った図を使うのか?」という問いかけに対して曖昧な返事しかしてこなかったのです。

私はかけわり図は量の乗除で扱い、倍の乗除はにらめっこ図で扱うという風に2つの図を使えばいいと考えて居ます。

再び割合について_a0300390_16385671.jpg

 つまり割合の「比べると一方は他方の何倍に相当する」という意味と式の構造はかけわり図では表せないからです。
 
 比べるというのは2つの量を同じ平面で見比べる必要があります。また、比べる場合高さで比べるやり方がしっくりきます。かけわり図に現れる2量は比較対象ではなかったはずです。かりに割合ではこの2量を比較してみるのだといっても横倍の比較は簡単にはできません。また、倍が働きであるという認識も育たないと思うのです。

そんなわけで私は、倍割合はにらめっこ図で指導すべきだと真剣に思っています。おそらく倍割合の意味構造と完全に一致した図はこの図以外に考えられません。また、図がそのまま式を表している点もこの図の大きな特徴です。

仮説実験授業の出口さんがこの図を載せた私たちの授業プラン<割合>を小学校で2年間にわたり実践にかけてくださいました。ご自身もあまり評価はしていなかったようですが、子どもたちの評価がとても高いので「これは、いいプランかもしれない」ということで仮説実験授業研究会で取り上げて研究してくださっています。ありがたいことです。

数教協ではあまり議論にならないというか無視される傾向にあるプランですが、少しずつ広まってきているように感じます。

5年生の先生でそろそろ割合の授業を考えて居る方はどうかご一報ください。
「授業プラン」を500円でお送りします。人数分必要なときは子ども一人200円でお送りします。

by kiyotaka-ishi | 2015-11-24 16:57 | 算数教育